INTERVIEW スペシャル対談

はじめに

弊社のイメージモデルとしてご活躍されていた八代亜紀さんが2023年12月30日に逝去されましたことを、深い悲しみとともにお知らせいたします。彼女の突然の訃報に接し、私たちは言葉を失っています。

このページは2021年に八代亜紀さんとの対談記事を掲載しています。私たちは八代亜紀さんの貢献に心から感謝し、彼女の記憶を大切にするためにも、この対談記事をここに残すことにしました。

皆様におかれましても、八代亜紀さんへの温かい思い出を共有していただければ幸いです。

株式会社日健
代表取締役 橋本道明

人生100年時代。日本の超高齢化社会の問題解決に「集音器」を用いて未来を明るく健やかなものにすることをスローガンに掲げている、株式会社NIKEN代表取締役 橋本道明と、画家としてのキャリアも持ち合わせる、歌手の八代亜紀氏が、「音」の大切さや近代の集音器について語り合いました。

気軽に使えて、お手頃な「集音器」のススメ

橋本私は、補聴器の販売会社に20年勤めていました。現在の補聴器は素晴らしく、毎年高性能な商品に進化し続けていますので、一般的に聞こえの改善には補聴器の使用をお勧めしています。ただ「補聴器」は高価なもので、使用したくても中々購入できないという方が多いです。現在日本には、65歳以上の人口は約30%以上いると言われていて、そのうちの約3分の1の方は、補聴器を使用した方がいい難聴者と言われています。しかし、実際に使用している方は、難聴者人口の15%前後だといわれています。その理由として、使用したくても金額が高価過ぎて購入しづらいことと、補聴器使用が恥ずかしくて使用したくないという方が多いようです。なので、そういう方にも、メイドインジャパンの商品で、補聴器に比べたら金額的にも手頃な「集音器」をもっとたくさんの方に使ってもらおうということで、八代さんの力を頂きたいなと思っています。

八代そうですよね。スタッフの中にもいます。若いのに、テレビの音を大きくしないと聞こえないんですって。でも、これをつけると全然聞こえが違うんですよね。

橋本そうです、通常の音量よりかなり下げて聞く事ができます。大きい音でずっと聴き続けていたら、聞こえがさらに悪くなる可能性もありますので、聞こえが悪くなった早期に使用することをお薦めしています。

八代「お値段がお手頃」というところが良いですよね。

橋本そうですね。集音器だから気軽に買えると思います。やはり性能的には補聴器をお勧めしますが、まずはきっかけとして集音器を使って欲しいと思っています。

八代コンサートの時とかは、「集音器」をつけるとよく聞こえるということなんですよね。

橋本そうです。先日八代さんのコンサートに行きましたが、周りに座っていた年配の方で補聴器や集音器を使用されてた方を何人もお見かけしました。八代さんの歌を聴くために、ちゃんと付けていましたね。会場でも「携帯の電源を切っているか」「補聴器をちゃんと付けているか確認してください」というアナウンスが2・3回ありましたよ。

八代今はそのようなアナウンスがあるんですね。

橋本ちゃんと歌を聴くために付けていますかっていうことですよね。

コミュニケーションのための「集音器」は、未来の必須アイテムに

橋本会話には、2つ種類があります。1つは伝達するだけ。「ご飯!」とか「お風呂!」とかの単語での伝達です。もう1つは、コミュニケーションを取るため会話です。「今日はお父さんの好きな魚焼いたよ。昔から好きだったよね。」っていうようなコミュニケーションを取る会話になりますけど、聞こえが悪くなったら、「単語」になるんです。「お風呂!」とか「ご飯!」とか。そうじゃなくて、会話を楽しんでもらうっていう意味で、聞こえが悪くなったら早期に集音器を付けていただきたいです。そういう意味では難聴者の必須アイテムになってほしいと考えています。聞こえが悪くなっても付けない方が多いので、安価な商品があると知ってもらうことで、気軽に試そうと思ってほしい。

八代そうですね。ぜひ、そういう方には試して欲しいですね。

「音」は「愛」を感じさせてくれる幸せなもの

八代例えば、寝ているときに、母の朝ごはんの匂い・水を出している音がする・お米を研ぐ音・野菜を切る音、幸せって感じていましたね。

橋本話を聞いただけで、その様子が思い浮かびます。いいですよね。

八代これって大事ですよね。あと、私小さい頃から両親が大好きで、小さい頃に「両親が亡くなる夢」を見たんです。小さい頃ってそういうことありません?それでものすごく悲しくて、そっと夜中起きて、お父さんとお母さんが眠っている部屋に忍び込んでいきました。そして寝息を聞きに行きました。そしたら、寝息が「スースー、スースー」聞こえるんですよ。それを聞いて、「生きてた」って安心して、なんて幸せなんだろうって感じたことがあります。音ってとっても大事なんです。愛を感じませんか?

橋本全部、思い浮かびます。その時を思い出す「音」という感じですね。

歌手として「音を届ける」というのはどんな存在か

八代もう生きがいですね。私は、代弁者なんです。「一枚のLP盤」という曲だけは、私のお父さんのことを歌った歌なんですが、そのほかの曲は私のことではないんです。だから、そういう代弁をして伝える私の歌を聴いて、涙を流している人を見るとなんとも言えないですね、その幸せは。

橋本八代亜紀さんのコンサートっていうことでもちろん歌を聴いていたんですが、八代さんが歌の合間に小さい頃からのお話しなどを話していて、一つの物語を聴いているようでした。ミュージカルのようで楽しかったです。演奏していた方々も八代さんの話を聞いてものすごく笑顔でいたので、みんなも楽しかったと思います。

八代演奏の方々は、ずっと音楽の英才教育をうけてきて、そして厳しい練習を受けてきて、そしてあそこにいるわけですよ。だから、ほんと勉強とレッスンという人生だったと思うんですよ。だから、ホッとするような音楽、こういうのがあったのって皆さん思ったと思います。

橋本最後の「カーテンコール」も、演出も含め全部がすばらしかったです。すごいコンサートでした。だけど、そういう場所には、聞こえが良くないから行かないっていう方もいらっしゃいます。

八代「聞こえが悪いからいけない」という方もいらっしゃるけど、その方たちもこの集音器を使うと良いですよね。最高ですね。

橋本そうなんです。だからこれから日本で広げようと思っています。

持ちが良く、スタイリッシュに進化した近年の「集音器」
通販サイトやドラッグストアなどで気軽に購入できるよう、販路拡大も視野に

八代どういう商品になっているんですか?充電式?

橋本そうですね。この商品は、一回充電して20時間くらいは使用できます。なので、寝ている時に充電してもらえれば次の日は、一日中使えるくらい持ちます。

八代そんなに持つんですか!それは、すごいですね。

橋本充電器本体にも蓄電できる商品もありますので、旅行に行って充電がなくなったら、この充電器本体でこの集音器が充電できるんです。ここ最近は充電式の商品が主流ですね。

橋本最近の集音器を知らない人は、「集音器は大きい」というイメージがあると思うんですが、これを見ていただくとイメージが変わるので、「想像以上に小さいね」と喜ばれる方も多いです。

橋本両耳タイプと片耳タイプがあるんですが、基本は、両耳につけていただきます。耳も二つあるので、片方だけだったら使いづらいですよね。ただ、金額的に負担という場合は、まずは片耳から使用するという方もいますね。これからは、耳の中に入る耳穴式のタイプなど新商品を出して行こうと思っています。

八代耳の中に入るタイプ?

橋本今の形は、耳にかける耳かけ式タイプのものなんですが、これからはイヤホンのような形の商品も出していきたいと思っています。見た目は、音楽を聴いているような感じになります。

八代そうなんですね。でも、今の耳にかけるタイプは、落ちないっていう安心感がありますね。

橋本はい。ただ、耳穴式のものを開発しようと思ったきっかけは、マスクを今着けるようになった中で、マスクの着脱の時に、外れやすいんですよね。だから、今は、新しい「耳穴式」というのも需要があると思います。

八代「耳穴式」だと音楽聴いているみたいでおしゃれですよね。

橋本はい。おしゃれにも使って頂けるように、ネイルアートのようにデザイン性のあるものも販売できたらいいなと思います。

八代その時にはぜひデザインを描きますよ(笑)

橋本よろしくお願いします(笑)これから先は、視力が低下したらメガネをかけるように、聴力が低下したら集音器を気軽に使える社会にしていきたいです。自社販売サイトのほか、いろんなお店やドラックストアでも取り扱えるようになりたいですね。

八代今はドラッグストアとかで販売していないんですか?

橋本取扱っているところもありますが、置いていないところも多くて。なので、増やしていきたいなと思っています。

「歌手・八代亜紀」だけではなく「画家・八代亜紀」として

八代私が3・4歳の頃からずっと絵の勉強させてもらってるんです。それで12歳で歌手を目指し、歌手としてヒットに恵まれても、ずっとその間も絵を描いていました。1998年に、第24回ドイツ・オランダ・ベルギー美術賞展に出展してみたら、なんと入選出来たんです。その後、350年の歴史がある世界最古の画壇「ル・サロン」に出展し、こちらも入選出来たんです。「ル・サロン」は、5回入選すると永久会員の称号をいただけるんですが、最初に入選してから5年連続入選出来て、最短で永久会員の称号をいただくことが出来ました。永久会員というと、ルノアール・セザンヌ・モネなど名だたる画家の方ばかりなので、私も仲間入り出来た気がしています。(笑)

橋本いや、すごいです。素晴らしいですね。今後は八代さんの歌手活動だけではなく画家としての活動も微力ながら応援させていただきます。

橋本今日は ずっと緊張していましたが、色々な話ができて嬉しかったです。本日は、ありがとうございました。

八代ありがとうございました。

Profile
八代亜紀
熊本県八代市出身。 1971年デビュー。
1973年に出世作「なみだ恋」を発売。
その後、「愛の終着駅」「もう一度逢いたい」「おんな港町」「舟唄」等、数々のヒット曲を出し、1980年には「雨の慕情」で第22回日本レコード大賞・大賞を受賞。
レコード・CDの総売上枚数が女性演歌歌手で1位の記録を保持している。
また絵画では、画家の登竜門とも言われる世界最古の美術展、フランスの「ル・サロン」で5年連続入選を果たし永久会員となる。
芸能生活40周年を迎えた2010年には、歌唱技術が認められ文化庁長官表彰を受賞。
近年では、音楽のジャンルを超えた活動をしており、2012年、ジャズアルバム「夜のアルバム」を発売。
邦人アルバム史上最大級となる世界75ヶ国に配信され、Billboard JAPAN Jazz Albums of the Year 2013を受賞。
2013年3月、ニューヨークの老舗ジャズクラブ「Birdland」でライブを行い、ジャズシンガー ヘレン・メリルと共演。
2015年10月、ブルースアルバム「哀歌-aiuta-」を発売。
2016年、モンゴル国より「日本モンゴル文化大使」に任命される。
2017年10月、ジャズアルバム「夜のつづき」を発売。
2018年6月、フレンチポップスの女王・シルヴィー・バルタンの日本最後の公演にゲスト出演、シルヴィーと共演。
同年8月、モンゴル国より「北極星勲章」を授与される。
2019年4月から、自身がMCを務めるレギュラー番組BS11「八代亜紀いい歌いい話」の放送が開始。
芸能生活50周年を迎えた2021年には、卓越した歌唱力と魅力的な歌声で歌謡界を牽引してきた功績が認められ、第42回松尾芸能賞 大賞を受賞。
同年9月25日には、デビュー50周年記念 ベストアルバム「八代亜紀 ベストヒット」を発売。